【法律マメ知識】遅刻者の賃金カットは違法?!
経営者のみなさんへ
「しょっちゅう遅刻してくる社員がいる…。 再三の注意にもなかなか改善しない…。 ここはもう実力行使しかないか…!」
そんなお悩みにお答えします。
本記事の内容
◆ 多額の減給制裁は許されない…
◆ まとめ
この記事を書いている僕は、某大手人材企業にて人事コンサルタントとして100社を超える企業の支援をしています。教育コンサルタントとして新規事業の立ち上げも経験しており、今回は今まで培った経験やノウハウの共有をしたいと思います。
今回は遅刻をしてくる社員に対して賃金カットという制裁をしてよいのかどうか。
そこに関する法律のマメ知識をお伝えします。
「言っても聞かない社員には実力行使だ!」
気持ちはわかりますが、一度落ち着いて考えてみましょう!
では早速見ていきましょう!
◆ 遅刻者の賃金カットは可能!
結論、賃金カットは可能です!!
歓喜の声が聞こえてきそうですね。笑
遅刻者に対して賃金カットをするには以下の2つのパターンがあります。
~ケース➀~ 就業規則で定めている場合
あらかじめ就業規則で「減給の制裁規定」を定めている場合は賃金カットが可能。
労働基準法に定める制限を超えない範囲内で賃金を減給できます。
※労働基準法第91条
例えば、以下のように定めることができます。
「遅刻1時間につき〇〇円を賃金から差し引く」
「遅刻3回につき〇〇円を賃金から差し引く」
ただし!
1事案で、平均賃金1日分の50%、1ヵ月分の10%を超えないことが条件です。
~ケース➁~ 「ノーワーク・ノーペイ」の原則
なんの原則?
と思われるかもしれませんが、こちらは読んでそのままです。
★「ノーワーク・ノーペイ」の原則
「職務に従事しなかった期間・時間については、賃金を支払わなくてもよい」
そのため、10分遅刻した社員には10分分の賃金をカットすることができます。
◆ 多額の減給制裁は許されない…
上記にて、遅刻者への賃金カットができるとお伝えしてきました。
ただあまりにも不当な制裁はできません!!
シンプルに言うと、多額の減給制裁ができません。
「1回の遅刻につき、減給10万円だ!」
「10分の遅刻に対して、1時間分の賃金をカットだ!」
このような過剰な制裁は違法になりますので、気を付けてください。
◆ まとめ
今回は、遅刻者への賃金カットについての法律マメ知識をお伝えしました。
いかがでしたでしょうか。
もちろん、遅刻が多く、口で言っても聞かない社員への実力行使は有効だと思います。
周りの社員の気持ちもすくってあげられます。
ただ賃金カットなどの実力行使をすれば、健全な労働環境が整えられるかというとそれはまた別問題です。
逆に社員のモチベーションが下がる可能性もあります。
また「ブラック企業!」と嫌なレッテルを貼られることもあるかもしれません。
会社の状況をよく見て、慎重に判断してくださいね。
それでは!
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